黒龍ブランドストーリー

世界の何処へ行こうとも、その存在は福井を語り始める。

黒龍のボトルに貼られるラベルへのこだわりは、前回もご紹介した。前回に引き続き、また違った趣向のラベルの説明をしてみたいと思う。それは黒龍の故郷、福井県繊維産業にまつわる話である。

福井県における織物生産の起源はまことに古く、一説によると、西暦2~3世紀ごろ、大陸から集団移民してきた人々が、越前、若狭地方にも移り住むようになり、その妻や娘達によって絹織物が織られるようになった、といわれている。
その後、中世、江戸期を経て、明治期には羽二重織物として国内最大規模の産地となった。繊維産業は、この伝統的な羽二重織が祖であるが、その後広まった人絹産業においては、福井に設置された人絹取引所の相場が全国の人絹相場を左右すると評されたほどである。

このような地の利を生かし、黒龍のラベルにも「越前織」「ベルベット」といった繊維を取り入れている。「越前織」とは、もともと「織ネーム」とも呼ばれ、衣類のネームタグなどに使用されているもの。それをラベルサイズの大きさまで織り込み、「八十八号」や、「大吟醸 龍」にラベルとして使用している。
「ベルベット」は「ビロード」とも呼ばれるパイル織物の1つであり、柔らかで上品な手触りとその深い光沢感が特長で、フォーマル・ドレスやカーテン等に用いられる。このベルベット生地に「九頭龍」の文字を染め上げ、「九頭龍 大吟醸燗酒」のラベルとして使用。大吟醸の上品さや高級感に加え、お燗酒の優しく柔らかな温もりを表現している。
福井の地で、200年以上もの間愛されている地酒、黒龍。そんな、酒そのものを際立たせるラベルという着物もまた福井なのだ。産業の技、織物。人の技、書。酒蔵の技、酒。これらが一体となり、全国、世界にその名を広めていくこともまた、黒龍の役割なのかもしれない。

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さて定番商品のラベルは、1992年に清酒の級別制度が廃止になって以来、和の古布をモチーフにデザインしており、中には着物の柄をラベルのバックデザインとしたものも多い。現在、日本文化、特に日本の食文化は世界的に注目を集め、ニューヨークをはじめとする世界の主要都市で、和食や清酒が評価されるような国際的潮流を迎えている。国酒である清酒を醸す醸造元として、日本らしさを商品の中に表現することで、「和」を国内外に発信し続けることは永遠の使命であろう。

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