ブランドストーリー

飲まれる瞬間にまで、気を使う。その、気が、清酒の旨みを導き出す。

低温で長期に渡るデリケートな温度管理のもと、ほどよく熟成し、飲み頃となった清酒はいよいよ瓶詰作業へと進む。一見、シンプルとも思えるこの瓶詰工程にも、黒龍は、伝統的な酒造りとは違ったこだわりを見せる。最近頻繁に報道されている、食品に関する諸問題は食品業界から醸造業界にも大きな波紋を投げかけ、適切な安全安心への対処が求められている。100年を越すような伝統を持った老舗企業でさえも、一瞬にして積み重ねられた信用を失ってしまうご時勢である。「良い酒を造れば、人は必ず支持してくれる」を座右の銘として高品質の清酒造りに没頭してきた黒龍酒造では、酒質を表現する「良い酒」の持つ意味は特に大きい。米を育み、酵母を探し、酒造りの技術や熟成法を極めたいという思いはもとより、「良い酒」のためには、あらゆる工程にも気を使い、安全性を確保するという思いにまでつながっていく。
瓶詰め、出荷、そしてお客様の口に入り、安心して「旨い」といっていただけるまでが黒龍酒造の仕事なのである。

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2008年8月、黒龍酒造はクリーンルームを備えた瓶詰めラインを導入。クリーンルームは瓶詰めラインの充填(お酒を瓶に詰める作業)室に設置され入室の際にはシャワー室でエアシャワーを浴びて、身体や衣服に付着したゴミ、ホコリなどを除去する。さらに、瓶詰め工場出入り口に設置されたリフトや、人体を感知する自動カーテンとの併用で、商品への異物混入対策を遵守している。また、今回のクリーンルームの導入で、1,000平方メートルを越える冷蔵設備による低温管理、品質向上、安心安全な商品づくりという「兼定島酒造りの里」建設の目的が達成されることとなった。
人生の節目において、はるか昔から清酒は他に変えがたい粛々とした役割を果たしてきた。清めのために、祝い事のために、旅立ちのために、見送りのために、國酒としての清酒はこれからも同様の役割を果たしていくだろう。このような、大切な人生の句読点をやさしく潤してくれる清酒を、安心して飲んでいただきたい。黒龍酒造の新しい瓶詰めラインにはそんな願いが込められている。